クロスリファレンス

Quarto はデフォルトで、 Markdown による記述をサポートしています。

Quarto はそれに加えて、 Quarto Markdown という独自の拡張を提供しています。

Quarto Markdown には、以下のような利点があります。

  1. クロスリファレンス: 文書内で図表やセクションを参照することをサポートします。
  2. 実行可能なコードブロック: R, Python, Juliaなどの言語で書かれたコードを文書内に埋め込み、そのコードを実行して結果を直接文書に表示することができます。

ここでは「クロスリファレンスと引用」の機能を紹介します。

クロスリファレンスとは? + その使い方

クロスリファレンスを用いるには複数の Quarto Markdown の記法があるのですが、 ここではバージョン1.4から加わった下記の記法を用います。

::: {#fig-elephant}

![](elephant.png)

象さん
:::

上記の記法により下記の画像がウェブサイトには表示されます。

(画像ファイル https://quarto.org/docs/authoring/elephant.png の取得が必要です。)

Figure 1: 象さん

まず、象の画像がウェブサイトに表示されているだけでなく、 閉じの ::: の 1行上にある文字「象さん」で図のキャプションが表示されることがわかります。

次に

@fig-elephant をご参照ください。

と qmd 中に書いてみます。

するとウェブサイトでは

Figure 1 をご参照ください。

と表示されます。 図のインデックス番号付けと、図へのリンクが自動的に生成されたことがわかります。 そして、これが「クロスリファレンス」と呼ばれるものになります。

出版物では、図表に対する参照が多くなります。 その参照の管理を手作業で行うのは骨の折れる作業です。 この「クロスリファレンス」機能を使うとその苦労から逃れることができます。

「クロスリファレンス」イコール「文書内のセクションや図や表にラベルを付け、そのラベルを使用して文書内で参照すること」と言えます。

先程の

::: {#fig-elephant}

![](elephant.png)

An Elephant
:::

では

::: {#fig-elephant}

によって、![](elephant.png) への「ラベル付け」が行われ、

@fig-elephant

によって「文書内で参照すること」が行われたのです。