第 77 回 関西 Debian 勉強会資料
関西 Debian 勉強会担当者 佐々木・ 倉敷・ のがた・ かわだ・ 八津尾
2013 年 10 月 27 日
第 77 回 関西 Debian 勉強会 2013 年 10 月
1 Introduction
Debian JP
関西 Debian 勉強会は Debian GNU/Linux のさまざまなトピック (新しいパッケージ、 Debian 特有の機能の仕組、
Debian 界隈で起こった出来事、などなど）について話し合う会です。
目的として次の三つを考えています。
• ML や掲示板ではなく、直接顔を合わせる事での情報交換の促進
• 定期的に集まれる場所
• 資料の作成
それでは、楽しい一時をお過ごしください。
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第 77 回 関西 Debian 勉強会 2013 年 10 月
2 最近のDebian関係のイベント
報告
Debian JP
2.1 第 76 回関西 Debian 勉強会
76 回目の関西 Debian 勉強会は 9 月 22 日 (日) に、港区民センターで行なわれました。
セッションは坂本さんによる「 Linux とサウンドシステム」と倉敷さんによる「 dgit でソースパッケージを触ってみ
る」の二本でした。
dgit はまだ DD しか使うことのできないツールで、どうなることかと思われましたが、飛び込みで DD が来られて実
演することができました。アップストリームが git で、パッケージを git で管理するには便利そうなツールですね。
Linux のサウンドシステムは時間切れで途中で終わってしまいましたので、今回、後半の続きとなります。
2.2 第 105 回東京エリア Debian 勉強会
105 回目の東京エリア Debian 勉強会は 10 月 20 日 (日) に OSC 2013 Tokyo/Fall で出張開催されました。
初の日曜開催と天候のため例年より来場者が少かったようですが、ブース展示は好評だったようです。
セッションは「 Debian 最近の update」として Debian の最新情報について紹介されました。中でも Debian カンファ
レンスの紹介は、ビデオ視聴での字幕の設定の仕方や、おもしろいライトニングトークが紹介されていますので、是非目を
通してみてください。
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2.3 Debian Project
2.3.1 Bits from the Release Team (Jessie freeze info)
Jessie のフリーズ日が 2014/11/5 23:59(UTC) とアナウンスされました。
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Wheezy のフリーズ日が 2012/6/30 でしたので 2 年毎のフリーズなら 2014/6 の終わりごろになるのですが、 2 年毎
のリリース、半年のフリーズ期間を優先して 2014/11/5 となったようです。 5 日というのは、”Gunpowder day”
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だから覚えやすいでしょということらしいです。
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発表資料 http://tokyodebian.alioth.debian.org/pdf/debianmeetingresume201310-presentation.pdf
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http://lists.debian.org/debian-devel-announce/2013/10/msg00004.html
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https://en.wikipedia.org/wiki/Gunpowder_plot
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https://en.wikipedia.org/wiki/Guy_Fawkes_Night
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また、リリースゴールに次の提案があり、検討中となっています。
• Native systemd support in every package with sysv scripts
• Hardening of ELF binaries (carry over from Wheezy)
• debian/rules to honor CC/CXX flags
• clang as secondary compiler
• piuparts clean archive
• Cross Toolchains in the archive
• Make the base system cross-buildable
• SELinux
• UTF-8
2.3.2 debian-devel@d.o
「 systemd effectively mandatory now due to GNOME」
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から始まって、「 Proposal: switch default desktop
to xfce」
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に続き、「 Proposal: switch init system to systemd or upstart」
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へと、恒例の話題で盛り上ってます。
ここ 2、 3 日で 200 通ほどのメールが流れているので興味のある方は追ってみてください。
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http://lists.debian.org/debian-devel/2013/10/msg00444.html
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http://lists.debian.org/debian-devel/2013/10/msg00496.html
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http://lists.debian.org/debian-devel/2013/10/msg00651.html
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第 77 回 関西 Debian 勉強会 2013 年 10 月
3 事前課題
Debian JP
今回の課題は以下の通りです。
1. パッケージ libasound2-dev をインストールし、添付の pcm minimal.c をコンパイルして実行ファイルを作
成してください。実行ファイルを実行した結果を教えてください。
2. git-buildpackage を install してきて下さい。
3. Debian Developer/Maintainer の方は, 御自身がメンテされているパッケージをどの VCS で管理されてい
るかお答え下さい。パッケージをメンテされていない方は、
http://anonscm.debian.org/gitweb
以下にあるパッケージを眺めて触ってみたいパッケージを決めておいて下さい。
参加者の皆さんの解答は以下の通りです:
3.1 坂本 貴史
1. ノイズが聞こえました
2. インストールできました
3. debootstrap をやりたいと思います
3.2 kozo2
1. まだやっています。とりいそぎ参加申し込みしておきたいので結果は会場で口頭で述べさせてください。
2. いま install しようとしています
3. メンテしていないです。 pkg-ruby-extras/ruby-bio.git, pkg-mozext/firebug.git, aptitude/aptitude.git を触っ
てみたいです
3.3 lurdan
1. あとでやっておきます。
2. essential ですよ？
3. git
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3.4 西原
1. noisy でした。
2. install しました。
3. 触ってみたいパッケージを決めておきます。
3.5 西山和広
1. ザーというアナログテレビの砂嵐のような音が出ました。
2. インストールしました。
3. twitter irc gateway の atig が普段使っているので良さそうだと思いました。
3.6 おくの
1. ノイズ音が鳴りました。
2. インストールしました。
3. OpenStack パッケージとか個人的に興味ありますが多いですねー
3.7 川江
1. コンパイルに失敗しました。
2. しました
3. qemu-kvm
3.8 かわだてつたろう
1. なにもおこりませんでした。
ソースをみるとノイズ音がするのでしょうか。
2. はい。
3. メンテしていないので、何か決めておきます。
3.9 佐々木洋平
1. はい。
% gcc -Wall -Wextra -c pcm_minimal.c
pcm_minimal.c: 関数‘ main’ 内:
pcm_minimal.c:48:4: 警告:‘ if’ 文内の空の本体は中括弧で括ることを推奨します [-Wempty-body]
; /* cannot resolve XRUN */
^
pcm_minimal.c:50:4: 警告:‘ if’ 文内の空の本体は中括弧で括ることを推奨します [-Wempty-body]
; /* cannot write all of samples */
^
pcm_minimal.c:19:6: 警告: 使用されない変数‘ err’ です [-Wunused-variable]
int err;
% gcc -Wall -Wextra -o pcm_minimal pcm_minimal.o -lasound
2. はい.
3. 自分の関与しているパッケージは pkg-ruby-extras に沢山あったりします。
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3.10 大林
1. コンパイルしました。実行するとヘッドフォンからノイズ音が出力されます。
2. しました
3. メンテナではないので何か考えておきます。
mesa とか yard とか？
3.11 yabuki@netfort.gr.jp
1. Nothing happened
2. はい、やっときました。
3. むかし、 yc-el を svn-buildpackage でやっていたが、これぼめんてがなくなったので、もうありません。
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第 77 回 関西 Debian 勉強会 2013 年 10 月
4 ALSAのユーザーランド解説
坂本 貴史
• ライブラリ、設定ファイル、プラグインなどがある
• ドキュメントはパッケージ「 libasound2-doc」で「 /usr/share/doc/libaound2-doc/html/」以下へインス
トールできる
• Android は独自にユーザーランドの実装を持っている
4.1 ライブラリ
• asound
• 設定ファイルのパース機能を持つ
– システムレベル、ユーザーレベルでランタイム設定
• プラグインを持つ
– 任意の機能を付与できる
4.2 PCM ノード
• ランタイムに設けられる。
• aplay -L あるいは arecord -L で一覧を取得できる。
• PCM のキャラクターデバイスを隠蔽し特定の機能を付与したもの
• この特定の機能を付与するために用いられるのが PCM プラグイン
• 設定ファイルが PCM ノードを設けている
• ライブラリの PCM インターフェイスでハンドルを開く時に指定する
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$ aplay -L
default
Playback/recording through the PulseAudio sound server
sysdefault:CARD=Intel
HDA Intel, ALC889 Analog
Default Audio Device
front:CARD=Intel,DEV=0
HDA Intel, ALC889 Analog
Front speakers
surround40:CARD=Intel,DEV=0
HDA Intel, ALC889 Analog
4.0 Surround output to Front and Rear speakers
surround41:CARD=Intel,DEV=0
HDA Intel, ALC889 Analog
4.1 Surround output to Front, Rear and Subwoofer speakers
surround50:CARD=Intel,DEV=0
HDA Intel, ALC889 Analog
5.0 Surround output to Front, Center and Rear speakers
surround51:CARD=Intel,DEV=0
HDA Intel, ALC889 Analog
5.1 Surround output to Front, Center, Rear and Subwoofer speakers
surround71:CARD=Intel,DEV=0
HDA Intel, ALC889 Analog
7.1 Surround output to Front, Center, Side, Rear and Woofer speakers
4.3 設定ファイル
• ALSA 特有の記法で書かれている
• システムレベルは/usr/share/alsa 以下にある
– /usr/share/alsa/alsa.conf の「 defaults.namehint.extended off」が、 hw/plughw/dmix/dsnoop
の表示を抑制
• ユーザーレベルは「 .asoundrc」をホームディレクトリに配置
4.4 プラグイン
• プラグインには 2 つのタイプがある
PCM タイプ PCM ノードに機能を追加する
MIXER タイプ Control ノードに機能を追加する
• aplay -L でいろんなノードが見えるのは PCM プラグインのおかげ。
front フロント出力のためのもの
surroundXXX サラウンド出力のためのもの
hw 標本化周波数、量子化ビット数、チャンネル数などをちゃんと指定する必要がある
plughw 上記をよしなに設定してくれる
pulse 出力を PulseAudio に流しこんだり、入力を PulseAudio から受けたりする
dmix 複数の出力をひとつのストリームに合成する
dsnoop ひとつの入力を複数のストリームにする
default ALSA の配布するパッケージでは、 dmix/dsnoop を入出力スレーブとしている
• その他のプラグイン
bluetooth Bluez を利用して音声機能を持つ Bluetooth デバイスを使う
ladspa LADSPA というフレームワークのプラグインを使う
4.5 PulseAudio
• 複数のアプリケーションの出力を束ねたり、入力を分割したりする
• 最近のデスクトップ環境は、 libasound2 の pulse プラグインを有効にし、 default ノードを pulse ノードに設定
こうすることで、 ALSA を直接利用するアプリケーションの入出力を PulseAudio に向けている
• PulseAudio のモジュール構造
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第 77 回 関西 Debian 勉強会 2013 年 10 月
5 git-buildpackage入門again
佐々木 洋平
5.1 はじめに
最近では Debian パッケージの管理になんらかのバージョン管理システム (VCS) を使うことが一般的になってきまし
た。 VCS usage for Debian source packages
*
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によれば、現状ではソースパッケージの 70.44% がなんらかの VCS を
使用しており、そのうち 65% が Git を使用しています
*
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。そんな訳で、 Git によるパッケージ管理の知識はそろそろマ
ストアイテムになりつつあるのかもしれません。
Debian パッケージを Git で管理するために使われるソフトウェアとして代表的なのが git-buildpackage です。こ
れまでにも勉強会において git-buildpackage に関する発表が幾つか行なわれています。
• 東京エリア 2007 年:「 git-buidpackage の使い方」 by 上川純一
• 東京エリア 2008 年:「 バージョン管理ツールを使い Debian パッケージを管理する Git 編」 by 岩松信洋
• 関西 2011 年:「 vcs-buildpackage ∼Git, svn 編∼」 by 佐々木洋平
• 関西 2011 年:「 vcs-buildpackage ∼Git の場合 (again)∼」 by 佐々木洋平
当日は, 上記資料からの変更点ともう少し進んだ使い方についてお話しします。
*
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(declared) VCS usage for Debian source packages: http://upsilon.cc/~zack/stuff/vcs-usage/
*
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上記 URL
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によれば Subversion の利用が 28%、 Git と subversion で全体の 93% を占めています。近年、 Subversion から Git へ移
行するチームが増えていることもあり、先月の dgit 含め、今後は Git による Debian パッケージの管理が主流となるのかもしれません。
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第 77 回 関西 Debian 勉強会 2013 年 10 月
6 今後の予定
Debian JP
6.1 関西 Debian 勉強会
次回、第 78 回関西 Debian 勉強会は 11 月 8 日 (金)、 9 日 (土) と大阪南港 ATC ITM 棟で開催される KOF2013 で
出張開催します。
セッションは 9 日 11 時から「 Debian 7.0 の実情/今後の開発について」として行ないます。ブースでは、実機展示と
あんどきゅめんてぃっどでびあんの販売などを行ないます。
6.2 東京エリア Debian 勉強会
第 106 回東京エリア Debian 勉強会は 11 月 16 日 (土) にあんさんぶる荻窪で開催予定です。内容はまだ未定ですが
「 wayland を動かす」などが調整中です。
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第 77 回 関西 Debian 勉強会 2013 年 10 月
7 メモ
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関西Debian 勉強会
Debian 勉強会資料
2013 年 10 月 27 日 初版第 1 刷発行
関西 Debian 勉強会（ 編集・ 印刷・ 発行）
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