2.x/3.x 系からは機能が分割され、システム起動時の早い段階、ライブメディアにあるルートファイルシステムをマウント
などをおこなう live-boot と、ライブシステム上でデーモンなどの起動設定をおこなう live-config に新たに書き直されま
した。
分けられた理由としては、 live-initramfs の見通しの悪さと起動の遅さがありました。 live-initramfs はもともと
ubuntu が開発した casper からフォークし機能を追加していましたが、 Debian Live が意図する様々なデバイスからの起
動が考えられていなかったため拡張していくと見通しが悪くなってきていました。
そして、 live-initramfs では initrd の中でおこなわなくてもよいデーモンの起動設定などの処理を initrd の中でおこ
なっていて、起動時間の足を引っ張っていました。
これらの理由から置き換えられたのですが、結果、見通しがよくなり起動も高速化することになりました。
起動の高速化では、 Squeeze 以降デーモンの並列起動化と insserv の導入もあって相乗効果でかなり早くなりました。
(Squeeze Live Alpha2 のリリースノートでは 1 分半から 54 秒になったと出ていましたが個人的にはもっと早いように感
じます)
live-initramfs は init だけの対応でしたが、 live-boot からは init 以外に ubuntu で使われている upstart、 fedora で
使われている systemd にも対応しました。
–bootappend-live に与えるオプションについてですが、大幅に変わったので live-boot と live-config の man を参照に
して書き換える必要があります。例として日本語キーボードを指定するオプションを書いておきます。
live-helper live-build
kmodel=jp106 keyb=jp keyboard-model=jp106 keyboard-layouts=jp
オプショ ンについては–bootappend-live オプショ ンで指定する以外にも、 live-boot の場合は live/boot.conf や
live/boot.d/以下、 live-config の場合は live/config.conf や live/config.d/以下にオプションを書いたファイルを置くと
起動時に読み込まれるようになりました。
日本語 環境 を指定 する 場合 、 config/binary local-includes/live/config.conf に以 下の ように 書い ておく と–
bootappend-live オプションの指定がなくなるのですっきりすると思います。
LIVE_LOCALES=ja_JP.UTF-8
LIVE_TIMEZONE=Asia/Tokyo
LIVE_UTC=no
LIVE_KEYBOARD_MODEL=jp106
LIVE_KEYBOARD_LAYOUTS=jp
オプション関係については man にかなり丁寧に書いてあるので一度読んでおくとよいでしょう。
5.2.3 パッケージリストの指定方法が変わりました
Debian Live にインストールしたいパッケージを一括して指定するパッケージリストの指定方法が変わりました。
1.x 系では config/chroot local-packageslists/にパッケージリストのファイルを置き、–packages-lists オプションで
置いたリストファイルの名前を列挙していましたが、 2.x/3.x 系からは config/chroot local-packageslists/に拡張子
「 .list(ドットリスト)」をつけたファイルを置くだけで適用されるようになりました。
live-helper live-build
config/chroot local-packageslists/examplelist
lh config –packages-lists ”examplelist”
config/chroot local-packageslists/examplelist.list
5.2.4 ISO と HDD 両用のバイナリイメージを作成するオプションの追加
今まで live-helper では ISO イメージ (iso) かハードディスクイメージ (usb-hdd) どちらかのイメージしか作成できま
せんでしたが、 live-build からは–binary-images オプションに iso-hybrid を指定して ISO,HDD どちらにも利用できる
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